手仕事を仕事に 2

 第二回染織プロセミナーが終了して半年が過ぎました。第二回の参加者の中には 開業の準備を始めている方がいます。電話やフェイスタイムで相談にのっていて感じられることは、「自分の人生は自分で切り開く」 という熱意にあふれていることです。
第一回の参加者ですでに開業されている京都のSさんは 安定した公務員の仕事をやめて染織の世界にやってきました。フェイスブックで見る彼女の姿はとても生き生きしていて素晴らしいです。 第二回の横浜からの参加者Yさんは 世界が変わってきたといいます。すごく行動的になって、色々な勉強を始めています。 定年退職後染織専門のギャラリーの経営を目指しているご夫婦もいました。第一回参加者のOさんは勤めていた会社をやめ、現在開業の準備をしています。染織を紹介する仕事になってゆくと思います。ひょっとしたらすごく大きなビジネスになる予感もあります。
 このセミナーを受けることで 開業準備万端というわけではありません。たかだか3日のセミナーですが、染織で生きていくために必要な知識 足りない知識が何なのか判ってもらうこと、染織で生きてゆく覚悟、そして手仕事の将来性などの をお伝えできればと思っています。
 染織を仕事にすることは 豊かな生活になることです。時間的にも環境的にも人間関係でもとても豊かになります。あとは
大金ではなくてもすこし自由になるお金。 
 皆さんの多くが染織で食べていける、染織のプロになっていけたら 日本人の働き方、暮らし方も変わっていけるでしょう。

2017年1月7日  大井川葛布 村井龍彦

染織プロセミナー
個人指導をしている間に染織の実習をしています

染織プロセミナー
個人指導している間に 織りの実習
リジット端をつかって、織り教室の感覚を覚えます

参加者7名 
一組の夫婦は定年後に染織ギャラリー開場の予定
群馬の二人は古民家を借りてワークショップ開催や教室をやる予定
東京の方は染めの個展を開催予定
大阪の二人はそれぞれ工房を開く予定です

第2回染織プロセミナー フライヤー

2016年第一回染織プロセミナー 
LinkIcon 開催報告
LinkIcon ■受講生の感想

手織を仕事に

「手織が生計を立てる仕事になり得るだろうか?」染織をめざして勉強している若者たちが抱える疑問の第一であろう。
 最近は染織が生活の一部として、染織品も売り、農業をやり、バイトもやり、生活していこうとする若者も出てきている。染織が生活の一部として行くことに 新しい潮流を見ることができる。
 また、生計は会社勤めなどして 趣味として染織を楽しむ人もいる。結婚をして 生計の主要部分を夫に(または妻)に任せて、染織をしている方もいる。その中には 伝統工芸展など ハイレベルな展示会に入賞するような方もいる。生活に追われて 特別な作品を作る時間のないプロより 生活の不安無く、コンペ用の制作に充分時間を掛けて入賞、受賞する方が最近は増えてきているようだ。

 止まれ、いろいろな染織作品のあり方があるだろうが、その方たちは「生活」できているので、私ごとが四の五の言うことはない。
私が気にとめているのは「プロとして染織で生活をしていこう」としている若者である。
 染織の学校に通い、工房で修行を積み、染織で自立しようとしているが、躊躇している人、すでに作家として自立しているが、なかなか作品が売れなくて、バイトや派遣社員になって生計の足しにしている人
手仕事を手織を仕事にしている方にエールを送りたくて 老婆心ながらこのワークショップを開くことにした。